咬合・顎関節(咬み合わせ、顎関節症など)
<咬合、顎関節治療>
嚙み合わせ(上下の歯の接触関係=咬合)の問題は歯の負担を何倍にも引き上げ虫歯や歯周病を悪化させるだけでなく様々な問題を引き起こす原因にもなります。嚙み合わせには主に歯、口周りの筋肉(=開閉口筋群)、顎の関節(=顎関節)、それらの感覚や運動などをコントロールする中枢神経系が関与しています。
嚙み合わせに問題が生じるとこれらの要素のいずれかに問題が生じることで原因不明の知覚過敏や歯の痛み、頭痛、肩こり、顎関節症などを引き起こす可能性があります。
嚙み合わせの異常には大きく分けて3つの原因があります。
口を閉じた時に上下の歯の1箇所ないし数箇所が他の歯よりも早く接触する早期接触、下あごを前後左右に運動させた時に歯の接触状態によってはスムーズに運動させることができず邪魔な位置で当たってしまう咬頭干渉、嚙み合わせた時に上下で噛み合うはずの歯が全く嚙み合わない無接触、これらが悪い噛み合わせを引き起こす原因と考えられています。
咬合治療とは、この嚙み合わせの不調和を正すことで種々の問題を解決し口だけでなく全身の健康維持を目的に行うものです。
治療方法としてはリシェイピング、矯正治療、補綴治療、スプリント治療(マウスガード)の4つがあります。
リシェイピングとは前述した嚙み合わせ異常の原因を取り除くために歯の形態を理想的に整えて修正することで特定の歯に負担がかかる状態を改善し、しっかりと上下の歯で嚙み合うようにする治療のことです。咬合治療における矯正治療、補綴治療とはリシェイピングでは十分に改善できないような歯並びの悪さや不適切な被せもの、義歯が原因で引き起こされている場合にそれを是正するのを目的として行うことにあります。
スプリント治療はマウスピースを使って顎の関節にかかる負担を軽減することで顎の痛みを緩和する一般的な顎関節治療などで行われますが、あくまで一時的な対症療法なので根本的な原因除去にはなりません。
これら咬合治療を行う上で重要なのは一般的な口の中を見る視診やX線診査、歯周組織検査だけでなく嚙み合わせをみるために必要な細かい各種診査・分析が必要になります。きちんとした診査をしなければ正しい診断をすることは困難です。詳しくは担当医とご相談ください。
咬合器と、診断に使用する器具(フェイスボートランスファー)